2024.01.17

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クラウドERPの導入によって業務効率化の効果が得られやすい中小企業の特徴を紹介します。クラウドERPを導入するにあたっての考慮・比較ポイントも説明しています。

目次  
クラウドERPとは
中小企業がクラウドERPを導入する前に考慮すべきポイント
  導入の目的を明確にする
  ERPの適用範囲を明確にする
  ERPを運用できる体制を整える
中小企業向けクラウドERPの比較ポイント
  コストパフォーマンスが良いか
  自社で運用可能か
  サポートが充実しているか
クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【販売管理編】
  ①見積書や請求書をExcelで管理している
  ②販売管理システムと会計システムが連動していない
  ③銀行のインターネットバンキングと連携して自動消込ができていない
  ④インボイス制度への対応が遅れている
  ⑤在庫管理をシステム化できていない
  ⑥拠点や事業所ごとに別々のソフトを使っている
  ⑦発注をFAXや郵送、メールのやり取りで行っている
クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【会計・経理編】
  ⑧手書きで会計管理をしている
  ⑨経理業務を会計士・税理士に丸投げしている
クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【人事・給与編】
  ⑩給与計算や年末調整を税理士、会計士、社労士などに外注している
  ⑪マイナンバーの安全な管理ができていない
クラウドERPを中小企業が導入するメリット
  業務効率が大幅に改善する
  災害時にデータが消滅する恐れがない
  インボイス制度など新たな制度に迅速に対応ができる
中小企業のERPの導入デメリット
  初期導入に費用がかかる
  社員への研修・教育が必要
中小企業こそクラウドERP導入のメリットが大きい!まずは専門家に相談を

クラウドERPとは

クラウドERPとは

クラウドERP (Enterprise Resource Planning) は、企業が業務プロセスを効率的に管理し、統合するためのクラウドベースのソフトウェアシステムです。このシステムは、会計、販売、人事、生産など、企業全体のさまざまな部門と業務を統合し、リアルタイムのデータや情報共有を可能にします。

ERPの主要機能例

  • 会計:財務会計、管理会計、債権・債務管理
  • 販売:販売管理、仕入管理、在庫管理、案件管理、入出金管理
  • 人事:勤怠管理、労務管理、給与計算

 
クラウドERPの最大の利点は、システムの導入や運用にかかるコストを削減できることです。従来のオンプレミス型のERPシステムでは、大規模なハードウェアやソフトウェアの導入が必要であり、そのために多額の初期投資が必要でした。しかし、クラウドERPでは、インターネット経由で必要なリソースを利用できるため、初期費用や運用コストを大幅に削減することができ、中小企業が導入しやすくなりました。中小企業にとってクラウドERPは非常に有用であり、導入によって業務効率の向上や新たな制度への即時対応が可能になります。

中小企業がクラウドERPを導入する前に考慮すべきポイント

中小企業がクラウドERPを導入する前に考慮すべきポイント

クラウドERPを導入したいからと言って、やみくもに多機能・高機能なサービスを選定してしまうと、かえって費用対効果が悪い結果となってしまいます。中小企業がクラウドERPを導入する前に考慮すべきポイントを3点示します。

導入の目的を明確にする

クラウドERPを導入する前に、その目的を明確に定めることが重要です。業務プロセスのどの部分を改善し、どのような成果を期待しているのかを明確にしましょう。例えば「会計士・税理士等に委託している仕訳記帳業務を自社で完結することで、外注コストを削減しつつ、リアルタイムで試算表を確認したい」というような目的を明確にします。

ERPの適用範囲を明確にする

目的が明確になったら、実際にクラウドERPのどの機能を業務に取り入れるかを決めます。自社で振替伝票の仕訳記帳を行いたいので財務会計機能は必要。請求書を発行して入金消込を自動化・省人化したいので、請求書発行機能と銀行口座連携したうえで入金消込できる機能も必要。給与計算は社労士に任せた方が効率的なので導入しない。など、適用範囲を明確にします。

ERPを運用できる体制を整える

ERPを導入する際には、運用するための体制を整える必要があります。システム利用者のトレーニングやシステム管理の責任者を指定するだけでなく、導入するERPに精通したコンサルやベンダーとのサポート契約の範囲も検討しましょう。

中小企業向けクラウドERPの比較ポイント

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中小企業向けのクラウドERPは、様々な事業者が提供しており、特徴も異なります。自社に合ったクラウドERPを選定する上での比較ポイントを3点示します。

コストパフォーマンスが良いか

中小企業向けのクラウドERPを比較する際には、コストとパフォーマンスを評価します。多くのクラウドERPは、ユーザー数や機能・オプションといった単位で価格付けがされています。自社の利用者数や前述の提供範囲を想定したうえで、自社に適したクラウドERPを絞り込みましょう。

自社で運用可能か

クラウドERPの中には、高機能な分、操作が複雑で、理解やトレーニングに時間を要するものもあります。実際に利用する自社ユーザーのPCスキルや、現在の業務からの変更点なども考慮し、自社に適したクラウドERPを選定する必要があります。無償デモなどを利用し、操作性を確認するのも一つの手段です。

サポートが充実しているか

自社で運用が可能だとしても、初期設定や既存データの移行などは、どうしてもシステム導入スキルを要します。自社内にシステムに詳しい人材がいれば、クラウドERP事業者からレクチャーを受けながら初期設定やデータ移行が可能かもしれません。もしそういった人材がいなければ、外部のサポートが必要となります。また、法や制度改正への対応も含め、運用開始後の継続したサポート体制の有無も確認しましょう。

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【販売管理編】

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【販売管理編】

ここでは、クラウドERPの販売管理システムを利用することで業務改善が見込める中小企業の特徴を紹介します。

①見積書や請求書をExcelで管理している

Excelでの見積書や請求書管理では、管理が煩雑になり、PCトラブルなどで喪失するリスクもあります。また、以前の請求書を送ってしまったり、法や制度に準拠した保管方法をとっていなかったりといったミスや対応不足が生じる可能性が高くなります。クラウドERPの導入で効率的な販売管理が実現できます。

②販売管理システムと会計システムが連動していない

販売管理システムと会計システムが連動していない場合、データの二重入力や情報の不整合が生じる可能性があります。クラウドERPはこれらを一元管理できます。例えば、販売管理システム上で請求書を出した時に、会計システム上では  [借方:売掛金 貸方:売上] という仕訳が自動的にされ、振替伝票として記帳されます。その後、販売管理システム上で入金消込をした場合、会計システム上では [借方:現金 貸方:売掛金] と自動仕訳がされます。

③銀行のインターネットバンキングと連携して自動消込ができていない

銀行のインターネットバンキング連携と自動消込も、クラウドERPを選定するうえで重要な機能です。この機能を使えない場合、銀行の口座明細を1件ずつ確認し、販売管理システム上で手動で入金消込をしなければなりません。銀行のインターネットバンキングと連携ができる場合、取り込まれた明細の摘要や金額などでマッチング指定することで、入金消込の自動化・省人化が可能になります。

④インボイス制度への対応が遅れている

仕入先の登録番号を登録することで、仕入先の適格/免税といった事業者判別により、適正な消費税率の仕入管理ができます。また、自社から得意先への請求についても、適格請求書の要件に即した請求書が発行されます。

⑤在庫管理をシステム化できていない

在庫管理を手作業で実施するのは非常に大変で、在庫不足や過剰在庫などの問題が発生しやすくなります。販売管理システムで仕入数と販売数を管理することより、効率的な在庫管理が可能になります。また、会計システムと連動している場合、決算時の棚卸商品価額も自動的に算定することができます。

⑥拠点や事業所ごとに別々のソフトを使っている

拠点や事業所ごとに別々の販売管理ソフトを使っている場合、例えば同じ得意先への請求書を本社で合算して作成するなど、業務負荷が増えることになります。クラウドERPは拠点や事業所を統合した一元管理を実現できるだけでなく、拠点や事業所に必要なソフトはブラウザだけで事足ります。

⑦発注をFAXや郵送、メールのやり取りで行っている

FAX送信する場合は発注書を複合機に入れて送信、郵送する場合は印刷・折畳(紙を折る)・封入・投函、メール送信する場合は文面作成・添付・送信、などヒトやモノを介した作業が多くかかります。クラウドERPによっては、FAX自動送信、自動郵送、自動メール送信といった自動化機能やオプションが付いているものもあります。特に自動郵送については、印刷・折畳・封入・投函といった作業依頼をクラウド上で完結し、紙代・封筒代・切手代も含めて1通単位で課金されるサービスもあります。

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【会計・経理編】

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【会計・経理編】

ここでは、クラウドERPの会計システムを利用することで業務改善が見込める中小企業の特徴を紹介します。

⑧手書きで会計管理をしている

手書きで振替伝票に記帳している場合、集計や突合、総勘定元帳や試算表作成など、付帯する事務作業に多くの時間を要します。クラウドERP上で振替伝票に記帳するだけで、これらの事務作業から解放されることになります。

⑨経理業務を会計士・税理士に丸投げしている

経理業務を会計士・税理士に委託している会社は多いですが、共通の悩みは試算表や資金繰りをタイムリーに確認できないことです。クラウドERPを導入することで、月の途中でも経過を確認することができます。また、固定資産管理ができるクラウドERPを使うことで、減価償却費を月ごとに自動計上でき、毎月の損益管理の精度が向上します。

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【人事・給与編】

クラウドERPを導入すべき中小企業の特徴【人事・給与編】

ここでは、クラウドERPの人事システムを利用することで業務改善が見込める中小企業の特徴を紹介します。

⑩給与計算や年末調整を税理士、会計士、社労士などに外注している

給与計算や年末調整を外部へ委託するのは、毎年変わる社会保険料や税金の計算を自社で行うのが難しいからという理由が一般的です。クラウドERPを導入すれば、その年・場所の料率・税率が反映された計算が自動的にされ、給与計算と給与明細の発行を自動化できます。また、年末調整機能を使うことで、各社員が画面上で入力できる環境を提供でき、各種帳票の発行、税金計算、税務署向けの書類作成なども自動化できます。

⑪マイナンバーの安全な管理ができていない

漏洩リスクの面から、社員のマイナンバーを自社で管理するのを避ける中小企業が少なくないのも事実です。クラウドERPにはマイナンバーを安全に管理できる機能を備えたものもあります。クラウド上にマイナンバーを保管することを躊躇する意見もありますが、実際は何重にもバックアップがされ、かつマイナンバーへのアクセス記録が自動でされるので、自社内で紙やデータで保管するよりも安全性が高まります。

クラウドERPを中小企業が導入するメリット

クラウドERPを中小企業が導入するメリット

これまで紹介してきたように、クラウドERPを中小企業が導入するメリットをまとめます。

業務効率が大幅に改善する

クラウドERPは中小企業の業務プロセスの自動化と効率化を実現し、経理や営業などの事務作業時間の削減や誤りの軽減が期待できます。

災害時にデータが消滅する恐れがない

クラウドERPのような機密情報を扱うクラウドサービスは、一般的に何重にもバックアップがされ、かつ地理的に異なる場所(データセンター)への複製まで対策されているケースが多いです。仮に1つのサーバーが壊れてしまっても、別のサーバー上でサービスが継続されます。もし自社内のPCにソフトを入れて運用している場合はどうでしょう? そのPCが突然壊れたら、すぐに復旧できますか?

インボイス制度など新たな制度に迅速に対応ができる

新たな法令や制度に迅速に対応されるのもクラウドERPならではの特長です。もし自社PCにインストールしたソフトを使っている場合、バージョンアップをしたり、買い替えたりする必要が出てくるかもしれませんが、クラウドERPではこの必要がありません。

中小企業のERPの導入デメリット

中小企業のERPの導入デメリット

ERPの導入はメリットばかりではなく、デメリットもあります。

初期導入に費用がかかる

クラウドと言っても、新たにERPを導入するには初期導入コストがかかります。クラウドERPの初期契約費用だけでなく、導入支援サービスなど初期設定やデータ移行を外部委託する場合は、別途費用が発生します。中小企業の場合、国や自治体の補助金・助成金を利用することで、この負担を軽減できる可能性があります。

社員への研修・教育が必要

今までと違うやり方、違うシステムとなると、当然導入時に社員へのトレーニングが必要となります。トレーニングに要する時間もコストですが、トレーナーを外部に委託する場合にも費用が発生します。このようなシステム導入にともなう教育費も補助金・助成金の対象となる場合があります。

中小企業こそクラウドERP導入のメリットが大きい!まずは専門家に相談を

中小企業こそクラウドERP導入のメリットが大きい!まずは専門家に相談を

中小企業にとってクラウドERP導入のメリットは多く、業務効率の向上や競争力の強化につながります。しかし、適切な機能の選択と導入作業は慎重に行う必要があります。専門家に相談し、自社のニーズに合ったクラウドERPを導入することで、ビジネスの成功に向けた一歩を踏み出しましょう。